すすきの原の約束
そら役
あめ役
SE/雨の音
そらM『学校のすぐ裏手には、一面のすすきの原が広がっている。
すすきの穂が風に揺れるのを一人眺めるのが、私は好きだった。
そんなある日、雨の日にだけすすきの原の真ん中で、空を見上げる
見慣れないセーラー服を着たおさげ髪の不思議な女の子を見つけた』
そら「こんにちは。貴女は、だれ?」
あめ「....わからないの」
そら「わからない?」
あめ「なぜここにいるのか...自分が誰なのか、なにも...
ただわかるのは、ここからわたしは離れられない...」
そらM『彼女はそれだけ言うと、また静かに空を見上げた』
そら「わたしは《そら》っていうの」
あめ「....そら?」
そらM『自分の名前を思い出せないという彼女に、私は名前を付けてあげた』
そら「今日からあなたの名前は《あめ》、あめだよ。仲良くしよう、あめ!」
そらM『差し出した手を不思議そうに見つめるだけの《あめ》の両手を強引に掴んで
私は握手をした』
そら「今日から私達、友達だよ!」
あめ「....あめ....そら...ともだち」
そらM『この日から、私とあめは友達になった。本当に何も知らない《あめ》に、
私は色んな事を教えた。子供のように真っ白な《あめ》は、私の話を何でも
黙って楽しそうに聞いてくれる、それがとても嬉しかった』
そら「(なにかアカペラで短め)」
あめ「(同じのを歌う)」
2人「あはははは」
そらM『これから私達、ずっと一緒だよ!....そう思っていたのに』
そら「あめ?あめ?どこにいるの、あめ!!!」
そらM『突然あめは、すすきの原から姿を消した。そして私は、気になる噂を耳にする。40年前に行方不明になった、セーラー服を着たおさげ髪の女生徒の話と未解決連続殺人事件』
そら「40年前の卒業アルバムを見れば何かっ!!」
そらM『徐々に明らかになる40年前の秘密。過去に一体何が。消えたあめの謎』
そら「待っててね、あめ。わたしが貴女を見つけてあげるッ」
そらM『そして忍び寄る犯人の影....』
あめ「そらぁぁぁぁぁ!!!」(エコー)
そらM『【すすきの原の約束】』
そらM「彼女は確かに、ここにいた』